「ねー!やばくない!?」

「キャーッ、椿くんかっこよすぎて……」



クラスの女の子たちがキャピキャピ騒ぐ中、私、大咲くるみは1人、勉強をしていた。

シャープペンシルを持つ手はそのままに、クラスの女の子たちの会話に耳を傾けていた。



でも、耳に入ってくるのは私の知らない単語ばかり。


雑誌やら有名人やら……。


私……流行というものに乗り遅れている気がするんですが……!

内心焦りながらも、自分を落ち着かせようと深呼吸をする。


ええい、もういいや!
わかんないものはわかんない!

雑誌だか有名人だかなんだか知らないけど、流行になんか乗らなくたって生きていけるもん!