目が覚めると、ベッドの上で横になっていた。隣には伊吹が寝ていた。伊吹の顔は笑っていて、こうなる前の伊吹を思い出す。僕は不意にクスッと笑った。

伊吹が起きると、また説教が始まった。

「昨日の電話…陸って奴からきてたぞ。誰だ?」

「ただの幼なじみだよ、」

また勘違いしているようだ。陸にはちゃんとした美人の彼女がいて、僕なんて恋愛対象外だ。

「ムカついたから俺以外の連絡先は全部消しといた」

「え?」

そこには小さい頃お別れした大切な友達や小学校時代の友達の連絡先もあった。僕でもさすがに怒った。

「なんで勝手なことすんのっ!」

すると、伊吹の手が首を掴んできた。強くぎゅっと絞められた。

「あ"っ、…あ"あ"ッ、、、」

「勝手なこと?俺が春に関係することを勝手にやって何が悪いの?春と俺は一つなんだよ?ねぇ…なんでそんなに怒ってるの?春が悪いのに、」

僕はビクビクと震えながら春の手を握った。

「伊吹ッ…はっ、何もッ…悪く、ないっ!」

その瞬間、伊吹は微笑んで僕を離した。

「そうだよね?俺は悪くないよね?」

僕はコクっと頷いた。