ふと山の参道の脇に
車を止めると・・・

そこには2mくらいの
崩れた輪のようなスペース
があり、周りには草が茂っていて
足元には砂利・・・

そして墓が2つ立っていた。


片方の墓には、新しいカラフルな
たくさんの花が飾られて、
もう一方は白いシンプルな花が
飾られていた。

また泣き出したかと思うと
「稜ちゃん、あなたのお母さん
一週間前の夜に亡くなってね・・・
病名が・・
『あの!興味ないですから。』
言葉を遮る僕。

「ごめんね~。」って言いながら
さらに泣いている。

『あのすみません。
正直なにも感じないです。

この人も会いたかったなら、
死ぬ前に僕を呼んだはずです。

だからここに来る必要は
ないです。

もう、帰りましょう。』

「・・・稜ちゃんに辛い思いさせたねぇ。
 辛かったやろう・・・
 苦しかったやろう・・・
 恨んだやろう・・・。」
まるでお経の様に聞こえる。