院長室にそのまま連れていかれ・・・

僕は院長室が嫌いだ。
何の変哲もない8畳くらいの部屋で、
黒の合皮の安っぽいソファー、
テーブルもやけにツヤツヤだし
その向いにこれまたツヤツヤな
机と椅子と棚。
色を赤茶で統一してる・・・

壁も天井も白で床は薄グレー。


僕はソファーの園長先生の
横に座り、老人と
向かい合わせの状態になった。

なんだか・・・不思議な緊張感・・・。


沈黙をやぶるかのように
院長先生が・・・

「稜くん・・・。
稜くんのおばぁちゃんだよ。」
って老人の方に右手の甲を向ける。

その手の方向に目をやると
僕のおばぁちゃんと
言われるその人が、口を抑えて
おいおい泣いている。

「稜ちゃん・・・おばぁちゃんと
一緒に暮らそう・・・。」