「・・・!!
奈央ちゃん?」
竜一さんの顔が曇る。

「奈央ちゃんはダメだろ・・・」

『やっぱり?』
ちょっと凹んだ・・・

「奈央ちゃんは
普通の女じゃないからさ。
落とせないよ。
あの人、樹さん以外
見てないから。」

あの人の目には樹さんしか
映らないんだ。」

と竜一さんは言って、
カウンターの中の
流しにお尻をつけて下を向き
フゥーと
深くため息をついた。



急に
「今日は店閉めて
 一杯やりながら語ろっか!

 暇なことだし~(笑)」って
伸びをした。

と思ったら
その伸びた手をほどき

上げたままの片方の手で
ちょいっとドアの方を指差す。