『今この話をすると

 自分が最悪だということも

 ばぁちゃんに甘えてたことも

 わかるけど・・・



 あの時は全然わかんなくて・・・。

 涙もでなくて・・・。』


「うんうん。」と横に座った
 奈央さんが聞いてくれる。


 僕の働いてるバーの裏は、
海になっていて
といっても単なる港なんだけど

僕の仕事が終わってから
時々話をすることが会った。
(他の人に聞かれたくない話・・・)


店の駐車場の延長みたいな
かたちで海まであり
端にいくと影になり
人からは見えない

海の見えるその場所は・・・

僕らの秘密の場所だった。


『誤りたくてさ。

 何も言えなかったし・・・。』


「大丈夫。おばぁちゃんは
稜ちゃんの気持ちわかってくれてるよ。」


『そうかな・・・?
 言葉に出して言わないと
 伝わらないでしょ。。。』

と投げ出した足を引き上げ
膝にかかえこむ。