「僕も結構映画観に来るんですけど、今日の作品は原作を読んだことがあったので。咲希さんは原作読んだことありますか?」
「原作は読んだことなくて、でも映画面白かったから読んでみようかなって思ってます」
「ぜひぜひオススメですよ」
笑顔で人懐っこい雰囲気があるから人見知りの私でもすごく話しやすい。
こんな出会いもあるんだなぁなんて思っているとお互いのカレーが運ばれてきた。
「「いただきます」」
ん〜おいしい!ここのカレー少し辛めだけど癖がなくて王道って感じがすごく好き。
ふと横から視線を感じて目を向けると隼人くんと目が合う。
「…えと」
「あ、ごめんなさい。すごく美味しそうに食べるなって思って」
「え」
しれっと言われたから一瞬理解が追いつかなかった。でもだんだんと自分の顔が熱くなるのを感じる。
当の本人はと言うと笑顔でカレーを食べていた。

