※この怪談を知って、僕の身に霊障が起きました。



















 クリュリャヒがあなたに会いに来ます。

 窓ガラスやドアを何度も叩き、カラスのような声で泣きますが、絶対に部屋に入れてはいけません。

 「おまえが悪い。おまえが悪い」と唱えながら、いなくなるのを待ちましょう。

 この話を知った三日後の夜、クリュリャヒがあなたに会いに来ます。



 中学二年生の時に流行った話だ。ネットで調べても未だに情報がなく、クリュリャヒがなんなのかはわからない。

 それでも、確かにクリュリャヒは存在している。冒頭で述べた通り、僕の前に現れたのだ。

 この話を聞いた三日後の夜、なかなか寝付けなかった。
 ベッドにうずくまっていると、それは突然聞こえてきた。

 タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ……

 カーテンを閉めた窓に、なにかが外から小刻みに当たる音が聞こえたのだ。それはまるで、エアガンの弾が当たったようだった。

 もしかしたらクラスの誰かがイタズラしに来ているのではないか。今日は土曜の夜だからありえないこともない。やりそうな奴もいる。

 ベッドから起き上がり、カーテンを開けて犯人を見ようとした時だ。
 小刻みな音が止まった。

 カァ……カァ……カァ……

 カラスのような、でも明らかにカラスでは無い泣き声が聞こえてきた。
 怖くなり、すぐにベッドにもぐる。


「おまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪いおまえが悪い……」


 小さな声で唱えているうちに眠ってしまい、気がつけば朝になっていた。
 飛び起きてすぐにカーテンを開けて窓を確認すると、いつもと変わらなかった。

 もしかしたら、夢かもしれない。でも僕は確かにクリュリャヒに会ったと確信している。

 あのエアガンみたいな音と、悲しそうなカラスのような泣き声が今も忘れられない。

 クリュリャヒが家に来たのはクラスで僕一人で、このことをみんなに話しても全く信じてもらえなかった。

 あなたは信じてくれますか?