『だるまさんがころんだ』
お風呂で頭を洗っている時、懐かしい遊びのフレーズが急に浮かんできた。
なぜよりにもよって、今考えてしまったのだろうか。
昔、こんな話を聞いたことがある。
『お風呂場でだるまさんが転んだと言ってはいけない。霊を呼び寄せてしまうから。思い浮かべるだけでもダメ』
嫌な話だ。考えるだけでもダメでは理不尽過ぎる。
すると、お風呂場に弱い風が入ってきた。その風は妙に冷たく、ひんやりと背中に当たる。風はその一度きりだが、せっかく温まった身体が冷めてしまいそうだ。
風呂場のドアが開いている。きっとそうに違いない。
まだ頭にシャンプーが乗ったままだったが、シャワーを止め、タオルで目を拭いた。
後ろを振り返る。
風呂場のドアが少し開いていた。やはりそれだけのことだった。
なぜドアが開いていたのか疑問ではあったが、風の原因がわかり胸を撫で下ろした時だ。
頭になにかがあった。
おそらく水滴だろう。だが、風呂場の天井から垂れてきたことなど今までない。
水滴は何度もも、僕の頭に落ちる。浴槽に風呂場の床にも落ちず、なぜか僕の頭にだけ落ちていたのだ。
意を決して天井を見上げてみる。
「ありがとう」
水滴など一つもない天井が視界に入った瞬間、小学生くらいの男の子の声が耳元で聞こえた。
なぜお礼を言われたのか、今でもわからない。
お風呂で頭を洗っている時、懐かしい遊びのフレーズが急に浮かんできた。
なぜよりにもよって、今考えてしまったのだろうか。
昔、こんな話を聞いたことがある。
『お風呂場でだるまさんが転んだと言ってはいけない。霊を呼び寄せてしまうから。思い浮かべるだけでもダメ』
嫌な話だ。考えるだけでもダメでは理不尽過ぎる。
すると、お風呂場に弱い風が入ってきた。その風は妙に冷たく、ひんやりと背中に当たる。風はその一度きりだが、せっかく温まった身体が冷めてしまいそうだ。
風呂場のドアが開いている。きっとそうに違いない。
まだ頭にシャンプーが乗ったままだったが、シャワーを止め、タオルで目を拭いた。
後ろを振り返る。
風呂場のドアが少し開いていた。やはりそれだけのことだった。
なぜドアが開いていたのか疑問ではあったが、風の原因がわかり胸を撫で下ろした時だ。
頭になにかがあった。
おそらく水滴だろう。だが、風呂場の天井から垂れてきたことなど今までない。
水滴は何度もも、僕の頭に落ちる。浴槽に風呂場の床にも落ちず、なぜか僕の頭にだけ落ちていたのだ。
意を決して天井を見上げてみる。
「ありがとう」
水滴など一つもない天井が視界に入った瞬間、小学生くらいの男の子の声が耳元で聞こえた。
なぜお礼を言われたのか、今でもわからない。