笑顔でありがとう

こんなに変わってしまった姿を見られたくなかった。なのに彼は自分が着ていたブレザーを優しくかけてくれた。涙が止まらなかった。。。『ゴメンな!辛いのに気付いてやれなくて。でも俺も辛かったんだ・・・』 「なにが?」
『チーは明るくて、友達が多いのはいい事だと思うよ。でも、俺以外の男とふざけ合ってるの見てられなかった!』
「・・・」
『ただの嫉妬なんだ!だから一人でいじけて避けてしまったチーの事。まだまだ、ガキだな俺は』
「・・・」
私を避けていた理由がやっと分かった。久しぶりに彼の声を聞いて、また涙が溢れた。泣きしゃっくりが混じった声を精一杯発しようとした。
「…………ぅん」これが精一杯。『でも、あのメールは何だよ〈ありがとう〉って!
今度言うときは笑って言ってな!』
「・・・ぅん」
『でも、よかったぁ!もう勝手に居なくなるなよ………』「・・ぅん!ゴメンね」。。彼の弱さを初めて見た。
目を真っ赤にして、声を震わせて、精一杯話かけてくれた。何時なのかも分からない。波音だけが静かに聞こえる。私たちはしばらく沈黙のまま寄り添った。