絶対に否定するだろうと思っていたのに、咲が発したのは肯定の言葉。 心の準備ができていなかった俺が一瞬たじろいだのを見破ったのか、彼女は先程からの無表情を初めて崩した。 「…照れた?」 「照れてねーよ!」 「嘘。顔にやけてるよ。」 「うっせ!!」 こんなくだらないやりとりでさえ、最近はできていなかったのだ。 口では文句を言っていても、お互いに同じ気持ちだとわかっていた。 目の前の彼女に手を伸ばし、その細い腰を抱く。 冷え切った体が、無性に愛しかった。