黒翼(ブラックウィング)



話した事により、事が悪化してしまうのを恐れて桃花は言えなかった。



「まぁ、桃花ちゃんからは話しづらいよね」


悠の性格を分かって桃花の言葉を理解した嘉耶。





「話しても問題ないから話してもいいけど…」



嘉耶は言葉を止めて龍黒を見る。






「…邪魔だけはするな」





嘉耶の言葉に孝太郎と魅影は確信を得る。南弦、秋人、柳の3人は言葉を聞き理解し難い様子。桃花に関しては、不安が隠しきれないのが見て取れる。



嘉耶の次の言葉を待つ龍黒。諒圭は黙ったまま。




「お前の言う通り。俺達と悠との関係は敵同士だ。勿論、リョウともね」

「じゃあ、なんで一緒にいるんだよ」

「話は最後まで聞くもんだよ」



嘉耶の言葉に疑問を抱き言葉を発した南弦に、話の途中だと言わんばかりに嘉耶が制止させる。



顰め面を見せる南弦を放っておき、嘉耶は続けて話を進める。



「俺達は悠に喧嘩挑んで負けている。いや、負け続けているって言うのが正しいかな?それはリョウも同じ。俺達はただ悠に勝ちたいだけ」

「何故、そこまでする?」


柳の質問に即答するのは諒圭。



「アイツの誘いに乗ったんだ」


補足するかのように嘉耶は続けた。



「悠から"何時でも自分を倒せるよう傍に居ろ"と言われた。俺達はそれに乗っただけ。他の誰にも邪魔されたく無かったし、悠の喧嘩を近くで見れば弱点とかも分かる。まぁ、最恐と言われるだけあって、隙なんて何処にも無いんだけど。因みにリョウとは、どちらが先に悠を倒せるからの勝負をしてる」



理解の範疇(はんちゅう)を超えていると、言わんばかりの目で嘉耶と諒圭を見る南弦。



「そんなの、おかしいですよ…」



呟かれた一言。拾ったのは嘉耶でも諒圭でもなく、孝太郎だ。