黒翼(ブラックウィング)




そして、横を通り過ぎようとした時、去り際に悠に話しかける。



「俺の名前は立川(タチカワ)(ケイ)。覚えとってな。黒羽悠ちゃん」


通り過ぎる京に、悠は振り向くことなくただ前を向いていた。その後、出口に向かって歩いているのが足音で分かる。


途中、魅影の横を通り過ぎる京。2人が会話を交わすことは無かった。



一通り、無事に事を終えた。


「悠ちゃん」


消えかかりそうな桃花の声。

その後に、悠の後ろからハッキリとした声が聞こえる。



「本当に容赦ないね」


それは嘉耶の声だった。


ここでやっと後ろを振り返る悠。そこには倒れていた筈の嘉耶に諒圭、龍黒のメンバーがいる。


「みんな!!」

「桃花!!無事で何よりです」




桃花は悠の横を走り過ぎ、秋人の元へ向かう。



「大丈夫?」

「えぇ、何とか」

「マジ、有り得ねぇ」


皆が皆、蹴られた場所や殴られた場所を押さえている。

南弦と諒圭は2人して、悠を睨むが表情を変えることは無い。嘉耶と諒圭は悠の前に来る。


「悠、俺等を殺そうとした?」


嘉耶の言葉にここに居る全員が悠に注目する。


「そうすれば良かったな」

「テメェ、」

「受身をとっていただろうが。殺しは出来ねーよ。でも、お前だけ本気で起き上がれなくしとけば良かった」



悠は睨むように嘉耶を見る。



「それは酷いな。結構、良いやつが入って痛いんだけど?」

「お前が必要以上に事を荒立たせた。面倒事にしたんだ」

「結果的に解決した。終わり良ければ全て良しでしょ?」



怒りをぶつけるも嘉耶は問題はないと言い返す。これ以上話すのが嫌になり、悠は舌打ちを残し2人の間を通り過ぎ、この場を去ろうとする。


しかし、目の前に龍黒が立ちはだかる。


悠は必然的に足を止めざるおえなかった。