今残されたのは魅影と諒圭の2人。
悠は2人を見る。
「お前、えげつないな」
口を開いたのは諒圭だった。悠は何も答えない。
「俺は参加する気は無いぞ」
「じゃあ、どっか行け」
「この状況で逃げるような真似できるか。俺は手を出さねーから勝手にやってろ」
諒圭もこの状況に、巻き込まれていることに、嫌気をさしている。やはり、着いて行くんじゃ無かったと後悔している。
そんな諒圭の気持ちなんて、悠は知ったことではない。この場所にいる以上、目障りな存在なのだ。
悠は諒圭の言葉なんて聞いていないように、諒圭を殴ろうとする。それを当たるギリギリの所で受け止めた。
「おい!!」
「邪魔だって言っているんだ。残るのであれば、やる」
「チッ」
結局、こうなるのかという怒りと諦めが混じった舌打ち。
諒圭はこの場に乗じるように、と言うよりかはこの場に乗じて、本気で悠と向き合い喧嘩に応じた。
どちらも譲らない息を飲む攻防が続く。それを傍観する魅影と相手側の男達。
決着が着いたのは2~3分ぐらい経った頃だった。諒圭の拳を悠が避け、体勢が整わない一瞬をつき悠がすかさず拳を横腹辺りに入れる。
強烈な一撃が入った為に諒圭は膝を倒れるようにつく。そして、顔面を狙って悠は蹴った。俯いていた状態から無理矢理顔を上げさせられた、というように思い切り空を切り、真逆は体勢にさせられ、そのまま仰向けに転がった。
悠はそれを目にした後、立ち上がることはないと判断し、次に魅影を見る。
「次はお前だ」
魅影は動じることも無く、ただ悠を見ている。ここまで見てきた魅影は悠に何を言っても通じることがなく、やらざるおえないと覚悟を決めていた。



