諒圭は自分の名を出されたことに睨みを効かせて嘉耶を見る、悠は嘉耶が事を複雑にさせていることで怒りで舌打ちをする。
事を荒立たせているのは紛れもなく嘉耶。それを面白く思っているのは嘉耶だけだろう。
本当に性格が悪い。
「舐めるなよ?かかってこいよ。お前ら全員相手してやる」
桃花を助けることが目的だが、最早どうでも良くなってきてしまう程に、悠は面倒事になったことへの怒りが強かった。収まりようのない怒りを喧嘩でぶつけたかった。
「正気〜?俺達は悠ちゃんと喧嘩する気はないよ〜?」
「だったら今すぐ去れ。邪魔だ」
「そういう訳にはいかないだろ!!桃花がいるんだぞ!!それに仲間もやられているんだ、見過ごすなんて出来ねーんだよ!!」
横たわっている龍黒の部下を見ての南弦の言葉。
「こんな状況を作ったのはテメェ等だぞ?」
悠の言葉に何も言い返す事が出来ない。龍黒の姫である桃花は何度かこういう状況にあっている。それは暴走族の地位や名誉争いに、龍黒の存在が大きいが故に狙われる的となり、どんな手を使ってでも龍黒を潰したい奴らが桃花を人質に取ろうと考えているのだ。
卑怯な手段を使おうとするのは許せないが、それよりも悠は桃花を守れていない事が、何よりも許し難いことなのだ。
悠自身も邪魔者扱いを受けて桃花の存在に目を付けられるが、相手を尽く倒しているが為に手を出す者がいない。
桃花という弱点をついても、倒せない事を証明し、自分達の身に危険が及ぶと恐怖を抱いているからだ。
そして、以前にも龍黒を潰そうと同じような考えで実行した暴走族のチームを、病院送りにまで追いやった。
それがあるため、龍黒は反論が出来ないのだ。



