男は向き直り、悠と龍黒に視線を向ける。
「やめて欲しければ、お前等で殴り合え」
「そんな…」
狼狽《うろた》える秋人。察しがついたにしても桃花の姉である悠を殴るという行動をすれば、桃花は傷付く、そう思っている。
それは少なからず他の龍黒のメンバーも感じている。
それに、幾ら強いという噂が流れて実績があるにしろ、女を殴るということは出来るはずもない。増してや、悠と龍黒が争い喧嘩する理由が無いのだ。
「殴り合えばいいのか?どちらかが倒れるまでじゃなくて?」
この中でそんなものどうでも良いと思っているのは悠を含めた3人。黒翼だ。
話を進めようとするのは嘉耶だった。
「お前は関係ないだろ」
「話を進めてあげているだけだ。さっきも言ったようにお前達の味方だ。邪魔をする気は無い」
「信用できるかよ」
「別に信用して貰おうなんて思ってもないし、しなくていい。なんなら、俺と諒圭が悠の相手してもいい」
「チッ」



