龍黒が学校を出る頃には、悠は目的の場所へと既に着いていた。
今は使われていない空き倉庫の一角で、シャッターは開けられており、中に足を進めれば悠と同じ十代から二十代くらいの男達が倉庫の三分の一を埋めていた。
歓迎というには程遠く、今にも殺し合いが始まるのではないかというほどの空気が張詰める。
その端の方では、手を後ろにしている姿から縛られているのであろう桃花の姿と、顔など殴られ痛々しく血で滲み腫れさせている男が横たわっていた。
おそらく、龍黒のメンバーだということは誰に聞かずとも見て取れる。
「悠ちゃん!!」
悠の姿を目をした桃花が叫ぶ。手は縛られているが無傷である桃花の姿を確認すると、悠は安心した。
良かった、と。
「随分と早いじゃねーか。時間はまだあるだろ」
電話を掛けてきた声の主である男が悠に話しかける。
「なんで、テメェに従わないといけねーんだ」
「おい、立場分かってんのか?コイツがどーなってもいいのかよ」
桃花に目を向ける男。その手にはナイフが光る。よく見れば、ここにいる男達の手には金属バットやら鉄パイプやら物騒な物が握られていた。
随分と卑怯な奴等だ。
「チッ」
軽く舌打ちする悠。



