今まで黙って傍観していた魅影が、ここに来て口を開いた。
「孝太郎」
「なに〜?」
魅影に呼ばれ振り向く孝太郎。
「電話。後《のち》に向かう。合流は現地だ」
「おーけー」
孝太郎に指示した後に、魅影は嘉耶と諒圭に目を向けた。しっかりと2人を見る魅影の目。
「何をしようがお前達の自由だ。だが、立ち塞がるのであれば、容赦しない」
「さっきも言ったように、邪魔はしない」
好きにしろと言いつつ脅してくる魅影に、嘉耶は澄ました表情で言い放つ。
魅影はそれ以上のことを言わない。
それが分かると、孝太郎は柳という男に電話をかけ始め状況を説明し、話が終わると動き出す。それに着いていくように2人も歩みを進めた。
チラリとスマホの画面を付ける諒圭。映し出されていたは画面には11:56の数字が並べられていた。
時間は正午前。
嘉耶と諒圭は時間指定がある事を知らぬまま、ただただ龍黒と行動を共にしたのだった。



