「きいちゃん、結構髪伸びたね。出会った頃ボブだったのに」

「短い方が好きですか?」

「きいちゃんが好き」

「……は?」

「だから、きいちゃんが好き」



だけどたまに盲目すぎて不安になる。

大丈夫でしょうかこの人、もはや意思疎通ができてませんけど。



「あの、髪型について聞いてるんですけど……」

「きいちゃんがする髪型ならなんでも好き、ってこと」



それにしても、相川くんってこんなにストレートに愛情表現する人でしたっけ。

あまのじゃくが一転して素直になっている。



「そうですか……それなら、伸ばしてみようかな」

「うん、ロングも絶対可愛い」

「そしたら璃子とお揃いでポニーテールできますし」

「えー、そっち?」



ところが璃子の名前を出すと不満を表情に出した。