「あー、癒される」



翌週、ついに相川くんに脚を貸し出してしまった。

膝枕をどうしてもしてほしかったらしく、頭を預けてゆるゆるのだらしない表情ですごく喜んでた。

……男の人って、こういうシチュエーション好きですよね。



「きいちゃん、ほぼ毎日俺の家に来てるよね。
……これってもはや、半同棲では?」

「それ、永遠さんにも言われました」

「付き合っちゃう?」



相川くんは寝転んだまま私の顔を見上げる。

出た、お得意の甘言。

さすがに今の発言は“あまのじゃく”が過ぎますよ。

怒ってもいい発言なのに怒れないのは、相川くんの独特な瞳のせい。

その目を見つめていると怒る気力はなくなって、相川くんの甘い言葉に耳を傾けてしまいたくなる。