「きいちゃん、俺もっとキスしたい」

「嫌です、それより言葉で示してください。どういうつもりですか?」

「っ、ふふ……きいちゃんの息が胸にかかってくすぐってえ」

「……相川くん?」

「分かった、もうふざけるのやめる」



顔を押し付けるのをやめて涙目で睨んだら、相川くんはすんっと真面目な顔になった。



「だいたい、なんとも思ってない女を自分の家に通わせねえよ。
かなり特別扱いしてたつもりだけど、伝わらなかった?」

「大事なことは言葉にしないと分かりません」

「だから俺に好きって言ってくれたわけ?」

「それ以外に、何があるんですか」



本音をぶつけると、突然唇を塞がれた。

驚いて押し返そうとしたけれど、自由だったはずの片腕も掴まれて身動きがとれない。

でももういいや、抵抗する理由なんてない。

私が大人しくなったのを見て、舌を絡ませた深いキスに移行する。

苦しいのに気持ちよくてもっと続けて欲しい。




「あーあ、俺の負け。きいちゃんのことだいぶ好きだわ」