その時、玄関の扉が開く音がしてドタドタ足音が近づいてきた。

あれ、どうしたんだろう相川くん。なんか怒ってます?



「ほら、噂をすれば帰ってきた」

「永遠、俺のきいちゃん独り占めすんなよ」



リビングに入ってきた相川くんは分かりやすく不機嫌。

独り占めだなんて、楽しくガールズトークをしてたって言ってくださいよ。



「ねえきいちゃん、疲れたから膝枕して」



相川くんは永遠さんがいるにもかかわらず、私に抱きついてきた。

でも、今日は甘やかす気にはなれません。



「女の子を蔑ろにしてきた相川くんには膝枕はお預けです!」

「なんで怒ってんの!?永遠何言ったんだよ」



分かりやすくショックを受けて目が泳ぐ相川くん。

永遠さんは「秘密〜」とちょっぴり意地悪な表情をした後、私に視線を向けて笑いあった。