「どうぞ」

「ありがとう、いい香り」

「カモミールティーです。リラックス効果のおかげで集中力が上がるから持ち込ませていただいてます」



永遠さんはまた笑顔を弾けさせてティーカップを受け取ってくれた。

ひとくち飲んで「おいしい」と言ってくれた永遠さんは、ふと私と顔を合わせた。



「刹那って、あまのじゃくなんだよね」

「……ああ、それはなんとなく分かります」

「あまのじゃくはあまのじゃくでも、度を越してるの。
自分からアピールするくせに、女の子が自分のこと好きになったら興味が失せるんだって。最悪でしょ?」



相川くんの新情報にショックを受ける。

でも実の姉がそう言うんだから間違いない。

女の子を弄ぶなんてひどい……あまのじゃくなんて言葉じゃ許されませんよ!



「はい、紛うことなき最低だと思います」

「んふふ、刹那がきいちゃんのこと気に入った理由分かった」



思わず鼻息荒くはっきり言ったら永遠さんは笑った。

今度はどこか困ったような笑顔だった。