音楽を聞きながら作業を進めていたけど、ふと物音に気がついた。

あ、もう21時だ。相川くんが帰ってきたんでしょうか。

様子が気になって部屋の扉を開ける。

おかえりと声をかけようとしたけれど、私は固まってしまった。



「え……」



そこにいたのは、目を見張るほど綺麗な女の人。

細くて女性らしくて華奢な身体、色白の肌、綺麗な黒髪。

そして怖気付くほどの美しい目。

一瞬、相川くんの本命の人か“そういうお相手”と思って血の気が引いた。

でも、どこかで見たことがある……もしかして。



「もしかして……きいちゃん!?」



声をかけようとした瞬間、それまで黙って私を見つめていたその人が走り寄ってきた。

そして迷わず手を掴んで、満面の笑みを浮かべる。

うわ、眩しい!それにすっごくいい匂いがする!



「きいちゃんよね?」

「は、はい……滝本稀子と申します……」

「なんだ刹那、いるなら言ってくれたらよかったのに!」



心を鷲掴みにされるような可憐な笑顔で手をギュッと握ってきた。

こ、こんな綺麗な人が実在するんですね。

間違いない、このとんでもない美人は……。



「やっと会えた。初めまして、永遠です」



相川くんの双子のお姉さん、永遠さんだ!