「きいちゃん、膝枕して」

「……は?」



最近、相川くんの距離の詰め方がどんどん大胆になってきている。

どうすればいいか分からなくていつもフリーズしてしまう。

相川くんの家の広いリビングに沈黙が広がる。



「付き合ってもないのにそんなことしません」

「付き合ったらしてくれんの?」

「……」

「あは、困らせてごめん。その顔も可愛い」



甘えてくるくせに、好きとか付き合おうとかは絶対言ってくれない。

最近は相川くんの言うこと、全部信用できなくなってきました。



「勘違いするから、やめてください」

「いいよ、勘違いしても」

「え……」



だけどそう言われたのは初めて。

驚いて顔を上げるとちょうど相川くんスマホに着信があった。

相川くんは画面を見ると、ものすごく嫌そうな顔をして自分の寝室に向かった。