「最近こっちに引っ越してきたもので」

「まあ俺のことはどーでもいいや。ところでなんで妹を描いてんの?」



問いかけてきたその瞳が私を捕らえた。

至近距離で見たその輝きに目を逸らせない。

気がつけば口が勝手に開いていた。



「……璃子は私の救世主です。私が自由に絵をかけるのは璃子のおかげだから、よく題材にします」



こんなこと誰にも話したことないのに。

変なの、相川くんには話せてしまう。

違う、相川くんのその目がそうさせてる。

この人一体何者なんでしょう、絶対一般人じゃない。



「へえ、意外だった。そういう熱血タイプと思わなかった」

「熱血……」



私を熱血と分析した相川くんは突然動きを止めて、ポケットからスマホを取り出した。