「相川くん、猫ちゃん好きなんですか?」
「今のはわざとだろ」
だけど即バレてしまって、ちょっと恥ずかしいから笑って誤魔化す。
すると相川くんは今度はギョッとした顔をした。
「なんなの?どう足掻いても返り討ちに遭うんだけど。
言ったじゃん俺、きいちゃんの笑顔に弱いんだって」
勝手に返り討ちに遭ってしまった相川くん。
つまり私の勝ちってことでいいですね。
私はふふんと鼻を鳴らして猫のスリッパを履かせてもらった。
「あ、いい感じに馴染んでますね。良かった」
ぱっと顔を上げると、自分が描いた絵が目の前に飾ってあった。
「それ好評だよ、みんなオシャレって言ってくれる」
「相川くんの飾り方がセンスありますから。ありがとうございます」
嬉しくて満面の笑みでお礼を告げる。
すると相川くんは難しい顔をして固まってしまった。



