「お疲れ様です!」
「よお、久しぶり〜元気してる?」
「ありがとなお前ら、すぐ駆けつけてくれて」
私たちを助けてくれた男子たちはその2人にも深く頭を下げる。
……ただの先輩後輩ではなさそう。
それにしても、快さんの隣にいる金髪の人、なんだか相川くんに雰囲気が似てる気がする。
トウ、って呼ばれてたような。
遠目から観察していたらその人の目がこっちを向けられた。
「刹那、どっちが“きいちゃん”?」
「髪下ろしてる方。隣は妹」
「へえ、そうなんだ。どっちも可愛いね。
てか刹那、きいちゃんとは仲直りできた?」
「うるせー、今言うことじゃねえだろ」
「早く仲直りした方がいいんじゃね?」
「相変わらずうぜえな、燈」
トウ、と呼ばれた人はひょうきんな動きと人懐っこい笑顔で相川くんの隣に立つ。
相川くんは嫌そうな顔をしながら長い脚ですぐ私のいる場所に来て、肩をぐいっと抱き寄せてきた。
「すぐ仲直りするから、きいちゃんは狙うなよ」
いつもはドキドキするはずの相川くんの匂い。
今は安心して涙が出そうになった。



