「よかった、先に来てくれたんだ」

「刹那さん、お疲れ様です!」

「サンキュー、お前ら」



バイクから降りた相川くんがこっちに近づいてくると、少年たちはいっせいに頭を下げる。

そして刹那という名前を聞いた瞬間、追いかけてきた男たちは後退りをした。



「刹那……?」

「荒瀬刹那!?……ヤバいって!」



明らかに顔色を悪くして狼狽えている。

……アラセ?相川じゃなくて?

状況が掴めないまま、私たちにはナンパしてきた男は慌てふためいて逃げていった。

待って、どういうことですか?

まったく理解が追いつかない。