「あー、いたいた。ちょっとツラ貸せよ」



その時、不機嫌な男の声がした。振り返ると私たちを追い回していた男たちだった。

恐怖で体が強ばる。

すると、私を見つけてくれた男子たちが危険を(かえり)みず仁王立ちする。



「てめぇらこそ黒帝のシマで何してんだ」

「……黒帝?」



彼らがコクテイ、と口にすると男たちの顔が強ばる。

とにかく、男たちはコクテイとの衝突を避けたいように見えた。

もしかしてこの近辺で幅をきかせてる不良グループとか?

だとしたら相川くんはいったい何者なんでしょう。

すると、1台のバイクがエンジンを吹かしながら公園の敷地内に入ってきた。

バイクを停めてヘルメットを外すと、それは紛れもなく相川くんだった。