しばらくして、男たちの声が近づいてきた。

どうしよう、逃げる?でも相川くんは動くなって……。



「“きいちゃん”であってる?」

「わっ……!」



突然男の声がして、遊具の中をライトに照らされて覗き込まれた。

驚いて璃子と手を握りしめあった。

……でも名前を知ってるってことは、相川くんの知り合いですか?



「あ、あってます……」

「よかった、無事だ。
刹那さんから話聞いてるから。こっち出てきて大丈夫だよ」



相川くんの名前を知ってるからやっぱりそうだ。

安心して肩の力が抜けて、私は深くため息をついた。



「璃子、立てる?」

「うん、大丈夫」



璃子に手を貸して遊具の外に出る。

そこにはヤンチャそうな服装の、いわゆる不良っぽい見た目の少年たちが集まっていた。

みんな中学生か、同い年くらい。

……相川くんの後輩でしょうか。