悲しいことに予想通り、相川くんからそれ以降連絡はなかった。

分かっていたことだけど落ち込む。

そんな私を見かねて璃子がカフェ巡りに連れ出してくれた。

1日かけていろんなカフェを巡り歩いて夕方、最後のお店に行くためにスマホのマップを頼りに2人で並んで歩く。



「すごーい、隠れ家カフェに続く道って感じ」

「璃子、本当にこっちであってる?この先、治安悪そうだけど」



だけど少し不安になってきた。

暗い街灯、壁の落書きに道端に転々と落ちているタバコの吸殻。

明らかに雰囲気が変わった。

入ってはいけないところに入ってしまった気がするんですが、本当に大丈夫?



「でもマップはこの奥って示してるよ。ここを抜けたら大通りに出るみたいだし」

「そう?ならいいけど……暗くなってきたから不気味に見えて」



璃子のスマホを覗き込みながら高架下の狭い通路に入る。

するとその通路の奥で男が3人、道を塞ぐようにしゃがみこんでいた。