「お姉ちゃん、どうしよう……」
「大丈夫だから!すぐそこの公園まで歩こう。もうここまで来たら大丈夫、追いかけてこないよ」
不安と痛みで璃子は泣き出してしまった。
また私のせいだ、私が自分のことばかりで無闇に走らせたから。
……とにかく身を隠さないと。
近くの公園のドーム型の遊具の中に隠れた。
警察に電話しなければ。だけど通報したってすぐには来てくれない。
だったら電話しながら移動するべき?それともやっぱりここで待機して……。
その時、手元にぎゅっと握っていたスマホが光った。
電話だ、誰から?
画面をのぞき込むとそのに表示された文字は──『刹那』。
相川くんだった。



