「璃子こそ私の自慢だよ。
だって私が絵描きとしてやっていけるのは全部璃子のおかげだから」



璃子が夢を譲ってくれたから夢を追いかけていられる。

幼い頃、私たちにはお互い夢があった。

だけど両親は、私たちがいずれ一流大学に進学して、名のある大企業に務めることを望んでいた。

優しい璃子は夢を諦めて、諦めの悪い私はひたすら夢を追い続けている。

璃子がいなければ私は筆を折っていたかもしれない。

だからこそ璃子を犠牲にしている、そういう感覚がずっと抜けない。



「やだ〜、照れちゃう」

「……何回も聞いてごめん。
璃子は本当にこれでよかった?」