しとしと雨が降る昼下がり、その日は刹那の家で勉強を教えてもらっていた。

季節は6月。雨の影響で、重たい湿気を含んだ暑さにはうんざり。

早くカラッと晴れた夏が来て欲しいと思ってしまいます。

とは言っても、受験生だから今年の夏は遊べるかどうか微妙なところだけど。



「きいちゃん、ちょっと休憩しねえ?」



私に数学を教えながら、大学の定期試験に向けて一緒に勉強していた刹那がさっきからチラチラこっちを見る。

どうやら集中力が切れたみたいですね。



「あともうちょっと……集中力があるうちに」

「勉強しすぎは身体に毒」



止められたけれどはもう少し頑張りたい。

そう思って机にかじりつこうとしたら参考書を取り上げられた。



「だーめ、今から俺といちゃつく時間」

「あと1問解いたらキリがいいので返してください」

「3時間ぶっ続けは身体に毒だって。20分休憩入りまーす」



あれ、そんなに時間過ぎてました?

喋りながらだと時間の感覚が分からない。