「きいちゃん私服可愛いね、髪も可愛い」

「ありがとうございます、妹に伝えておきます」

「なんで妹?」

「今日の服は妹が選んでくれて、ヘアアレンジまでしてくれたので」



次々飛び出る褒め言葉に恥ずかしいやら嬉しいやら。

誤魔化しの笑顔を向けると相川くんも満足気に笑う。



「あー、出たその顔可愛い。快は見んなよ」

「……」

「なんだよ」

「……いや、なんでも」



見てもないのに牽制されて微妙な顔をするカイさん。

やっぱり、お友達でも相川くんの行動は読めないものなんですね。

3人でお喋りしながら歩いて、いつの間にか東京駅に着いていた。

すると相川くんはカイさんに持っていたブランドの紙袋をずいっと渡す。



「快〜、俺トイレ行ってくるから荷物持ってて」

「はいはい」



すると相川くんはその場を離れてしまった。

うーむ、初対面の人と2人きりは気まずいです。