相川くんはギャップに弱い

「かすみ草の花言葉は、感謝と幸福。それから西洋の花言葉は“永遠の愛”。
小さい花だけど、ひとつひとつに意味があるみたいで俺は好き」



その指先で私の頬に触れて、いつになく穏やかな表情を見せる刹那。

触れられたところが熱い、これはきっといつもの違う顔を見せた刹那のせいだ。



「将来子どもができてその子が女の子だったら、カスミって名前がいいと勝手に思ってる」



今日の刹那はなんだかおかしい。

保証のない未来を簡単に語るものだから、そう思わざるを得なかった。

だけど刹那が言うと本当に叶う気がして。



「カスミ……いいと思います」

「うん、覚えててきいちゃん、約束ね」



いたずらっぽく笑う笑顔に、私も精一杯の笑顔で返した。