「璃子ちゃんにもよろしくされたから、仲良いとこ見せなきゃいけねえのに?」

「もう十分ですよ」



しゅん、とへこんだ刹那。

愛しくなって手を繋ぐと、分かりやすく握り返してくれる。



「刹那に会えてからずっと幸せです」

「……そういう時、素直になるのずるいって」



ずるいと言いながら嬉しそう。

なんだかんだ言って口角が上がりっぱなしですよ。



「俺、一生きいちゃんに敵わない気がする」

「それはお互い様です」



なんだかんだ言って、私たちは釣り合いが取れているから続いてるんだと思う。

愛情は、一度バランスが崩れてしまうとそれは愛とは呼べなくなってしまう。

だから私らしく、刹那は刹那らしくこれからも同じ道を歩いて行けたらいいな。

私たちは笑いあって、歩幅を合わせて歩き出した。