春休みは短いもので、あっという間に新学期になった。

私は高校3年生、璃子は2年生になった。

最近は時間が経つのが早すぎて、フランス旅行が遠い思い出のように感じます。



「刹那、起きて」

「……んー」



新学期明けの週末、私は昨日から刹那の家に泊まっている。

春休みほとんど一緒に過ごしていたから離れるのが寂しいらしい。

私も一緒にいるのが普通になってしまったから同じ悩みを抱えてる。



「刹那、おはよう」

「寝起きからきいちゃんに会えるなんて最高……」

「そろそろ起きてください」

「うん、分かってる……」



まったりしたい気持ちもあるけど用事がある。

今日は家族に刹那と会ってもらう予定。

とは言っても、お父さんはいい顔をしなさそうだから席を外してもらった。

お母さん伝に私に彼氏ができたのは知ってるらしいけど、さすがに会わせる勇気はなかった。