「……すごい」



大きなキャンバスを見て目を見張るその人。

たった一言口に出しただけなのに、まるでドラマのワンシーンみたいでドキドキが止まらない。



「これ、本当にあなたが?」

「はい、長らくお待たせしてしまい申し訳ありません」

「ふふ、噂通り律儀ね」

「え……」



喜んでくれたのはありがたいけど、納期が延びてしまったのでこの場を借りて謝罪。

すると、予想しなかった言葉が帰ってきて私は顔を上げた。



「刹那がお世話になってます」



さらに衝撃の言葉を聞き、私は目を見開いて驚いてしまった。