「依頼した中嶋の妻です。仕上がりを確認に来ました」



すると、ナカジマと名乗る線の細い美しい女性が玄関に立っていた。

この人、もしかして依頼された写真の美女!?

写真よりずっと綺麗……ちゃんと実在してたんですね。

顔がちっちゃくて目が大きい、そして色気に当てられて同姓の私でもドキドキしてしまうような、眉目秀麗な女性。

というか、この方に絵を見せて大丈夫なんでしょうか。

依頼主がサプライズで奥さんにプレゼントしたかったのでは?



「……失礼ですが、奥さんは依頼の件についてご存じですか?」

「ええ、私を描いてくれたんでしょう?夫から聞いています」



玄関先で会話を交わしただけなのに、鈴のような綺麗な声にまるで異世界の美女と話しているような気分。

なんて、現実逃避してる場合じゃありませんね。

とにかく依頼内容を知ってるなら安心、と彼女を部屋の中へ案内した。