「私と刹那、どっちが結婚するの早いかな」



ほんの少し暗くなってしまった雰囲気。

それを変えたのは永遠さんだった。

って……結婚!?



「そっちだろうよ、きいちゃんの進路がどうなるかにもよるし」

「え……」

「え!何その反応、俺と結婚する気ねえの!?」



結婚なんて話題すら出たことなかったのに、刹那は当然といった様子で答えたから驚いた。

まだ付き合って日も浅いのに結婚!?



「する気なかったにしても、どっちにしろ逃がさねえから」

「いや、その……初耳です、勘弁してください……」



まさか結婚まで思い描いてたなんて。

もちろん、私だってこのまま続いてあわよくば……とは思ってたけど。

男の人ってそういうの無頓着なイメージだったから全く予想してなかった。



「真っ赤じゃん可愛い」

「見ないで」

「やだ、こっち向いて」



思わず照れたら無理やり視線を合わせられる。

刹那以外の人に見られるなんて……こんな羞恥プレイには耐えられない!



「ちょっと……お手洗い借ります」

「ごめんからかい過ぎた、許して!」



慌てて立ち上がると刹那は私の後を追いかけてきた。

それが親鳥にくっついてくるヒナみたいに見えて、恥ずかしいのに笑ってしまった。