初対面で花束渡すとか……キザだけど刹那だから許せてしまう。

むしろこんなイケメンに花を贈ってもらったら好きになること間違いなし。



「私に!?」

「はい、お好きだと聞いたので。フリージアとかすみ草です」

「か、花瓶持ってくる!」



お母さんは花束を抱えながらバタバタ走って、廊下の奥の部屋に消えた。



「こっちは璃子ちゃんに、甘いもの好きって聞いたから」

「マカロン!?冷蔵庫に入れてくる!」



璃子も刹那から神袋をを受け取ってすぐに走ってリビングへ。

……さすが親子、リアクションが同じですね。



「……家族を口説き落とそうとしないでくれます?」

「そんなつもりねえけど。ただ俺のこと気に入って欲しいと思って」



靴を脱ぎながら刹那はニヤッと笑う。

さすが実家が極道なだけある。

人の心を掌握する手段を分かってるんですね。