「初めまして、稀子さんとお付き合いさせていただいてます。相川刹那です」



2時間後、刹那は私の家に来て満面の笑みで家族に挨拶をする。

さっきの寝起きの雰囲気はどこへやら、爽やかな笑顔を浮かべている。

……無理やり押し倒してキスマークつけるような男には見えない。



「ひえっ……」

「……お母さん?」



玄関で待ち構えていたお母さんは変な声を出して固まった。

後ろにいる璃子も、刹那と出会ったことあるはずなのにカチコチに緊張してる。

確かにバッチリ決めてるから眩しくて仕方ない。



「やだ、美青年……」



お母さんはほぼ放心状態で刹那の顔を見つめている。

刹那は笑みを深めて「これ、お母さんに」と言って持っていた花束をお母さんに渡す。