知り合いだとわかって安心したけど、出会い頭に運命なんて気軽に言わないでほしい。

普通の女子はそういう言葉に弱いんですから。

そんなことより、ニヤニヤ笑ってるところを見られたのがだいぶ恥ずかしい。



「それとも俺の後を尾けてきた?」

「そんな趣味の悪いことしません。
散歩がてら画材道具を探してました。こちらは今日の戦利品です」

「ああ、だからあんな嬉しそうな顔だったんだ」



勝ち誇ったように買ったものを掲げると、相川くんの後ろから背の高い男の人がひょいっと覗き込んできた。

うわっ、お友達が一緒なんて聞いてない。

誇らしげにドヤ顔を見せたことが恥ずかしくてきゅっと口を結ぶ。



「快〜、きいちゃん怖がってんじゃん。
背が高いから威圧感あるんだって」

「……ああ、急に覗き込んで悪い」



謝ってきたのは、黒髪で背の高い落ち着いた雰囲気の人。

190cm近くあるでしょうか、背が高くてスッキリした顔でかっこいい。

するとその人は無表情で私を見つめた後、首を傾げて相川くんを見た。