現れたのはいわゆる美形の男の人。

落ち着いた色の茶髪、綺麗な肌に目鼻立ちのはっきりした整った顔。

そして妙に惹かれるような目が特徴的な人。

おっと、初対面の人をジロジロ見るなんて失礼極まりない。

ところで私服だから卒業生でしょうか。

確かにこんな容姿端麗な人が現れたら、人だかりができそうですね。



「……あ、ごめん。人がいると思わなくて」

「どうぞお構いなく」

「いや、お構いなくと言われても」



声をかけたら速攻でつっこまれた。

心の声全部ダダ漏れで面白い人。

今まで周りにいなかったタイプで新鮮。



「じゃあお言葉に甘えてしばらく隠れさせてもらおっかな。
女子に追われて困ってたんだよね」



出ていく気配のないその人は、部屋を一通り見渡して私に近づいてきた。