「じゃあ一緒に住む。俺もそれまで金貯める」

「私も受験勉強頑張ります」



刹那は私を抱き寄せて、自然な流れで私を腕の中に収める。

すると刹那は急に笑いだした。



「どうしたんですか?」

「きいちゃんから同棲しようって提案されるとは思ってなかった」

「とは言っても、1年後の話になりますけど」

「1年後も俺といてくれるってことだろ?
その心意気にときめいたっていうか……俺、愛されてんなって」



幸せそうなその顔を見たら、早すぎた提案も悪くなかったと安心した。

普通じゃない家庭に生まれて、普通に生きるために刹那はきっとこれからも苦労するでしょう。

それでも私は刹那の隣にいたい。

どうか1年後も一緒にいられますように。

そう願って刹那を優しく抱きしめた。