「燈だって永遠にちょっかいかけてたじゃん」

「あれは付き合う前ね、付き合ってからはそんなことしてないよ」

「あ……」



ふと、燈くんの話を聞いて思い出した。



「ん、きいちゃん何?」

「そういえばあの話って本当ですか?刹那と快さんがケンカしたっていう……」



燈くんは、優しそうな快さんと刹那がケンカしたって言ってたけど、やっぱり信じられない。

すると刹那と快さんは顔を見合わせ、その様子を見た永遠さんが口を開いた。



「うん、快が“野獣”って呼ばれて時代の話ね」



野獣!?明らかに強そうな異名じゃないですか。

そして永遠さんは狼姫……ということはつまり。


「じゃあ、おふたりは“狼姫と野獣”ですか……おとぎ話みたいですね」

「あながち間違ってないかもな」

「……ふふ、そうだね」



快さんと永遠さんは目を合わせ、少し悲しげに笑う。

……この2人、過去に何があったんでしょうか。

それって、リビングに置いてある小さな仏壇も関係してます?

インテリアと言われたら遜色ないくらい馴染んでるけど、あれは仏壇ですよね。

まだそこまで仲良くないから、無理やり聞くつもりはないけど。