リモコンのスイッチを押して部屋は常夜灯でほの暗く照らされる。

暗くても分かるはっきりした顔立ち。

長いまつ毛、まっすぐ通った鼻筋。

いつ見ても綺麗な顔。



「……好き」



呟いてそっとキスをしたら、刹那は半分目を開いて私を見る。

って、あれ……怒ってます?



「あのさぁ、そういう甘え方はやめろって」



すると突然身体を起こして私の身体に馬乗りになった。

髪を片手でかき上げて、私を見下ろす。



「我慢してたの意味ねえじゃん」



ぼそっと呟いて、それから触れるだけのキスをしたあと、深いキスに移行する。



「俺だって好きだよ、好きでたまらねえの」



甘い言葉と甘い感覚。いつ味わっても至高の幸せ。

すっかり溺れてしまった私は、刹那に身を委ねることを決意した。

──その日、私たちは一線を超えた。