「ん?なんて?」

「美しすぎる……」

「はは、きいちゃん面白いね。いいよ、私をモデルにして?」

「ひえっ……」



誘うような妖艶な笑みを浮かべて顔を近づけてくる琥珀さん。

透明感のあるベージュの長い髪が揺れて、中華料理店なのに映画のワンシーンみたいでドキドキする。

そのせいで変な声が出た。



「きいちゃん、大丈夫?」

「だいじょばないです……」



刹那は半笑いで私の手を握る。

首を横に振ったら、刹那は思いっきり笑った。



「きいちゃん美形耐性がなくてテンパってるからちょっと待って。
はいきいちゃん、深呼吸」



深呼吸と言われて言葉の通り深く息を吸った。

ダメだ、琥珀さんのいい匂いが鼻腔に広がって余計落ち着かない。