「お前、高校卒業したらどうするんだ」



父は高圧的で、特に私への当たりが強かった。

お前、と呼ばれるのも嫌いになる要因のひとつ。

刹那くんは私のこと、お前なんて一度も呼んだことはないのに。



「大学に行くつもりです。今のところ志望校は東計大学で……」

「絵を描きながらか?」



父は何か言いたいことがある時、言葉を遮る癖がある。

まるで胸にナイフを突きつけられた気分。

それでも絵を描くことだけはやめるつもりはないから、私は顔を上げた。



「……まだお父さんは私のすることを批判するんですか?」

「絵を描いて食っていけると思うな。
中途半端な夢ならそろそろ踏ん切りをつけなさい」



冷静を努めていたのに、吐き捨てるような言葉に頭に血が上った。