「だから、甘やかさないで」

「きいちゃんが自分に厳しいから緩和させようと思ってるだけ」

「……そうですか?」

「璃子ちゃんだって昔のこと恨んでたら説得なんてしてくれねえよ」



確かに一理ある。けど私は今まで、璃子が優しいから恨んでないんだと思ってた。

私に気を使って、夢を諦めたことを気にしてないって言ってるんだとばかり。

だけどそれは、私の勘違いだったのでしょうか。

本当に言葉通りの意味だったのかも。

寝転がって天井を見ながら考える。

すると枕元に置いていた刹那のスマホがブーブー震え出した。



「は?誰だよ大量にメッセージ送ってきたヤツ。俺はきいちゃんとイチャイチャしたかったのに……って、あぁ」



刹那はスマホのロックを解除してアプリを開く。

そして送り主を確認すると微妙な顔をして呟いた。