「きいちゃん、今日そこで寝んの?ベットで一緒に寝よ」

「一緒に寝たら、ちょっかいかけてくるでしょ」

「何、期待してんの?」

「……いじわる」

「あは、睨んでも可愛いだけだって」



しかし、刹那の目にはどう足掻いても可愛いに変換されてしまうらしく無意味。

頑なにソファーから動かずにいたら、痺れを切らしたように抱きかかえられた。

いわゆるお姫さまだっこは人生で初めてだから恥ずかしい。

降りようとしまら「暴れてこの高さから落ちたら、腰の骨折れるけどいい?」と言われたので大人しくすることにした。



「嫌なこと、全部忘れさせてあげる」



私に覆いかぶさって、つやめいた笑みを見せる刹那。

覚悟が決まってなかった私は、怖くてぎゅっと目をつぶった。